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FX放浪記

trade 9💲歯車の中で輝く一筋の光

trade 9💲歯車の中で輝く一筋の光のイメージ

長年エンジニアとして生きてきた俺には、世間とは少し違う見方がある。数字とロジックの世界に生きてきたからこそ、FXの世界にも独自の視点を持ち込める。EA(自動売買ソフト)の取引の仕組みを調べてみたところ、ポイントはナンピンとマーチンゲールの2つだと理解した。まずは、ナンピンについて語ろう。

ナンピンに関する個人的見解

ナンピン。

この言葉を耳にするたび、俺の心は深い溜息を漏らす。FXのチャートを眺めていると、まるで人生の縮図を見ているようだ。含み損を抱えたポジション。それは、俺自身の姿そのものだ。上昇を待ち望みながら、じわじわと下がっていく。まるで、人生の目標に向かって這い上がろうとしても、現実の重みに押しつぶされていくかのようだ。

チャート上の赤い線。それは俺の人生における失敗の軌跡だ。プログラムのバグを直そうとして、新たなバグを生み出してしまう。そんな悪循環の日々。そして、ナンピンという誘惑。「今度こそうまくいく」という幻想に取り憑かれ、どんどん深みにはまっていく。それは、人生の岐路でミスを重ねてきた俺の姿そのものだ。

結局のところ、FXのチャートも人生も、俺には理解できない複雑な方程式なのかもしれない。0と1のシンプルな世界に慣れきった俺には、この複雑な世界は永遠の謎だ。

トレンドとレンジ

トレンドとレンジ

この図はEUR/USD(ユーロ対米ドル)の相場を示している。相場には大きく分けて「トレンド相場」と「レンジ相場」の2種類がある。

トレンド相場は、価格が一定の方向性を持って動く状態を指す。図の左側に見られる下降トレンドがその例だ。この期間、ユーロの対ドル価値が継続的に下落している。トレンド相場では、価格が一定方向に動き続ける傾向がある。

レンジ相場は、価格が一定の範囲内で上下動を繰り返す状態を指す。図の右側の楕円で囲まれた部分がこれに該当する。この期間、EUR/USDの価格は明確な方向性を持たず、特定の範囲内で変動している。レンジ相場では、価格が上限と下限の間を行き来する。

相場の状態は固定的ではなく、時間とともに変化する。この図では、下降トレンドからレンジ相場への移行が観察できる。これは相場状態の変化の一例だ。

相場分析では、これらの状態を識別し、各状態における価格の動きの特徴を理解することが重要となる。トレンド相場とレンジ相場では価格の動き方が異なるため、それぞれの特性を踏まえた市場観察が必要になる。

ナンピンとは

ナンピンは、簡単に言えば「負けているときに、あえて買い増す方法」だ。「難を平らにする」という意味らしい。江戸時代の米相場で使われた言葉とのことだ。

具体的には、こんな感じだ:

  1. 100円で買った
  2. 90円になったから買い増した
  3. 80円になったから買い増した
  4. 70円になったから買い増した
  5. 相場が反転した
  6. 90円に戻った

この時点で、

価格損益
100円→90円-10円
90円→90円0円
80円→90円+10円
70円→90円+20円
合計+20円

結果、損益は+20円。ナンピンで20円勝った!というわけだ。さらに価格が上がって110円になったら、100円→110円よりも多くの追加利益が出る。いわゆる「逆張り」の手法だ。

価格損益
100円→110円+10円
90円→110円+20円
80円→110円+30円
70円→110円+40円
合計+100円

ナンピン例図

これは、相場はいつまでも一方的ではなく、必ず反転するという前提に立っている。つまりナンピンはレンジ相場で非常に有効な手法となる。

しかし、実際の相場はそう単純ではない。トレンド相場でナンピンを繰り返すと、資金が尽きるまで損失を積み重ねることになる。

もし相場が70円まで下がったところで、80円まで戻し、再び下がって60円になった場合はどうなるか?

価格損益
100円→60円-40円
90円→60円-30円
80円→60円-20円
70円→60円-10円
合計-100円

損益は-100円。一瞬で資金が吹っ飛ぶ。これが現実だ。

光を求めて

俺たちは、巨大な機械の中で踊る歯車のようにだ。ナンピンという甘美な罠に落ち、際限なく回り続ける。チャートを見つめる目は無機質で、感情を失ったかのよう。上がる、下がる。一見、意味のない上下運動に見える。

だが、よく見れば、その中に法則がある。パターンがある。俺たちは、この狂った舞踏の中にも、何かを見出せるはずだ。

確かに、多くの者が踊り疲れ、力尽きていく。だが、俺は違う。この機械の摂理を理解し、逆手に取ってやる。ナンピンの罠を知り尽くしたからこそ、その先にある真実が見えてくる。

そう、これは単なる踊りじゃない。俺たちは、この複雑な方程式を解き明かそうとしているんだ。一見無意味に思える動きの中に、俺は意味を見出す。そして、その意味を武器に、この世界から抜け出す道を探る。

俺は踊り続ける。でも、もう機械に踊らされるんじゃない。自分の意志で、自分のリズムで踊る。そうすれば、いつかこの歯車の束縛から解放される日が来るはずだ。

これが俺の選んだ道だ。暗闇の中で光る、一筋のクモの糸を掴んで、這い上がってやる。次はきっと、俺たちの番だ。