税理士依存の危険性と対策:経営者が知っておくべき実務的注意点
よくある質問 (FAQ)
税理士依存のリスクとは何ですか?
税理士が事業計画書を作成できない理由は何ですか?
税理士業界の高齢化の現状はどうですか?
デジタル化に対応できない税理士の特徴は何ですか?
高齢の税理士を避けるべき理由は何ですか?
税理士依存のリスク
税理士は財務のプロフェッショナルですが、彼らの優先事項が常に経営者の利益と一致しているとは限りません。 税務署との関係を重視するあまり、顧客にとって最善の利益を損ねることもあります。 具体的には、税務署との摩擦を避けるため、過度に保守的なアプローチを取ることも少なくありません。
また、ビジネスである以上、収益性の低いクライアントへの対応は後回しにされがちです。 その結果、適当な処理で済まされることも珍しくありません。
特に税理士の小規模事業者への対応は、正直言って、かなり雑なケースがほとんどです。 過去の決算書の提出を依頼するだけで、数週間待たされることは珍しくありません。 典型的な殿様商売の一例と言えるでしょう。
小規模事業者は雑に扱われる
これは商売の性質上、ある程度はやむを得ないことかもしれません。 顧問料が安いから雑に扱う。契約が切れたところで、痛くもかゆくもないのでしょう。 ですが、このような税理士が多数派ということは、健全な業界とは言えないように個人的には思います。
さらに、税務に特化しているがゆえに、広範な経営アドバイスを期待できないことも多いのです。 特に補助金申請のサポートができる税理士は極めて少数です。 その背景には、事業計画書作成能力の不足があります。
このような状況だからこそ、税理士の言うことを鵜呑みにせず、対等な立場で対話できる関係を築くことが重要になってきます。
税制知識の限界
多くの税理士にとって、事業計画書は「読める」けれども「書けない」存在です。 これは税理士の業務の本質を考えると、ある意味で自然なことかもしれません。
税理士の主たる業務は、過去の取引を適切に仕訳し、確定申告書という形にまとめることです。 つまり、「過去」を「数字」で表現する専門家なのです。 一方、事業計画書は「未来」を「言葉」で表現する必要があります。 ここに大きなギャップが存在します。
例えば、経営力向上計画の申請を例に取ってみましょう。 この制度は、計画が認定されると導入した設備の即時償却が可能になる、経営者にとって非常に有利な制度です。 書類上の記載内容を理解し、その適切性を判断することは税理士の専門性で十分可能です。 しかし、「なぜその設備が必要なのか」「導入後どのように事業が成長するのか」といった未来志向の物語を紡ぎ出すことは、多くの税理士にとって専門外となります。
そのため、申請のハードルは意外に高く、大多数の税理士はこの制度の実務経験がありません。 税理士に断られることも少なくないのですが、その理由の多くは「制度を理解できない」というよりも、 「事業計画書を作成できない」という現実に起因しているのかもしれません。
デジタル化に対応できない税理士の増加
2022年の調査によれば、現在の税理士業界は下記のような特徴を持っています。
- 税理士の登録者数は年々増加傾向にあり、2021年度時点で80,163人となっています
- 年齢構成は高齢化が進んでおり、60歳以上が過半数を占めています
- 20代は1%、30代は10%、40代は17%と若手が少ない状況です
私がクライアントの決算書を閲覧するとき、紙をスキャンしたPDFファイルが送られてくることが、少なくありません。 会計ソフトを導入していると思えない決算書を作成している税理士がまだまだ多いのです。
これは税理士の高齢化というエビデンスと合致しています。
経営者と税理士の高齢化
税理士に限らず、年齢を重ねると人間は新しいモノへの挑戦を避ける傾向があります。 新しい技術やツールを導入することは、若い世代にとっては当たり前のことかもしれませんが、 高齢の方々にとっては、それがハードルとなることも少なくありません。
東京商工リサーチの調査によれば、 日本の社長の平均年齢は2023年に63.76歳です。 また同じく東京商工リサーチの調査によれば、 経営者の「後継者不在率」は61.09%です。
高齢の税理士は避けるべき
高齢の経営者は、昔ながらのビジネスを細々と続けているケースが少なくありません。 将来性が無くても、継承者もいませんので、自分が引退するまで持てばいいという考え方が根強いのです。 税理士も同様で、昔ながらのやり方で、昔ながらのクライアントを相手にしているケースが多いのでしょう。
少なくとも、このような税理士は避けたほうが賢明だと思います。 私も高齢の税理士をベテランと勘違いして、手痛い目に遭った経験がありますので。