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FX放浪記trade 10💲マーチンゲールと証拠金維持率の罠

EAを理解するために
あまり深く考えず、FXを理解もせず、ビギナーズラックを実力と勘違いしたが故の過ちを繰り返さないためにできること。明日のために、その2。それが、戦略に必要な基礎知識の学習じゃ。しばし、つまらぬ話がつづくのであるが、これも修行と思って、お付き合いくだされ。
禁断の秘技、マーチンゲール
理論上は絶対に負けないギャンブル必勝法とやらがある。それがマーチンゲール法。負けたら倍掛けを勝つまで繰り返す。ただ、これだけじゃ。
- まずは小さく賭ける。例えば100円。
- 負けたら倍掛け。つまり200円。
- また負けたら、さらに倍。400円。
- 勝つまで続ける。
- 勝てばトントン。
なんて簡単なことじゃと思うだろう。負けるわけがないと思うじゃろう。試してみれば恐ろしさが分かる。
負け回数 | 賭け金 | 含み損益 |
---|---|---|
0 | 100円 | 0円 |
1 | 200円 | -100円 |
2 | 400円 | -300円 |
3 | 800円 | -700円 |
4 | 1,600円 | -1,500円 |
5 | 3,200円 | -3,100円 |
6 | 6,400円 | -6,300円 |
7 | 12,800円 | -12,700円 |
8 | 25,600円 | -25,500円 |
9 | 51,200円 | -51,100円 |
10 | 102,400円 | -102,300円 |
たった100円から始めたのに、10回負けると賭け金は102,400円にもなる。10回連続負けなんて、めったにあるわけがないと思うじゃろ?確率的にも2の10乗で1/1024。つまり、0.1%の確率じゃ。
ところが、FXに限って言えば、この確率は意外と高い。特に、トレンド相場でナンピンを繰り返すと、連敗が続くことも珍しくない。そうなると、賭け金が指数的に増えていく。そして、証拠金維持率が下がれば、自動的にロスカットされるんじゃ。ボラティリティの高い通貨ペアだと、トレンド相場で300pipsなんて大きな変動は年に数回は起きる。ドル円相場に日銀が介入して700pipsも動いたときは、ロスカット地獄じゃったと聞いた。あれからワシはドル円だけは相手にしないと決めたものじゃ。
しかしじゃ、相場の7割はナンピンが有効なレンジ相場だと言われている。少々、運任せだったり、相場を読むのに長けている必要があるが、マーチンゲール法も有効な手法の一つと言えるのじゃ。
証拠金維持率
証拠金維持率とは、そなたの取引口座の健全性を示すバロメーターのようなものじゃ。FXではレバレッジを効かせて取引するゆえに、証拠金として預けた金よりも大きな金額で取引ができてしまう。
しかし、もしそなたの取引が思惑通りに運ばず、損失が膨らんでしまったら…。そこで証拠金維持率の出番じゃ。
証拠金維持率は以下の計算式で求められるわい。
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
有効証拠金とは、そなたが預けた証拠金に、取引で生じた損益を加味した金額のことじゃ。一方、必要証拠金とは、そなたの取引を維持するのに最低限必要な証拠金の額じゃ。
つまり、証拠金維持率が100%を下回るということは、そなたの取引による損失が証拠金の額を上回ってしまったことを意味するのじゃ。
多くのFX業者は、証拠金維持率が100%を割ると、自動的に取引を決済する「ロスカット」というルールを持っておる。 これは、そなたの損失がさらに拡大することを防ぐゆえに設けられた安全装置なのじゃ。
では、安心して取引するには証拠金維持率をどのくらい保てばよいのだろうな?
経験が豊富なトレーダーたちは、証拠金維持率は常に300%以上に保つのが理想的だと言っておる。 相場の急変動にも耐えうる十分な余裕資金を確保しておくためにじゃ。
ただし、これはあくまで目安じゃ。相場予測は誰にもできぬ。大切なのは、無理のない範囲でリスク管理をしっかり行いながらトレードすることじゃ。
証拠金維持率は、そなたの大切な資金を守るゆえにの重要な指標じゃ。計算式をしっかり理解して、余裕を持った取引を心がけることじゃ。FXの世界で、そなたが安全で充実したトレードを続けられるように、祈っておるぞい。